次世代に繋ぐ「伝える」活動が必要
ドッグシェルター 里見さん
保健所に収容され処分されてゆく犬を保護して里親を募集する活動を行っている。3年半の活動を通して300頭以上を送り出してきた。
ホームページ:http://dogshelter.jp/index.php/
現実を何とかしたい、という思いが活動のきっかけ
活動の始まりは、当団体の遠藤代表がたまたま見かけたペットショップの動物管理が、とてもひどい状態だったことに心を痛めたのがきっかけです。あまりの有様に、行政に訴えようかとも思ったらしいのですが、残念ながら現在の法律では拘束力が薄いので、「じゃあ自分には何ができるんだろう」と考えたのが始まりでした。
それから色々調べたところ、保護センターには本当に多くの犬が捨てられているということを知り、まずはその犬達から何とかしていきたいということで、早速保護センターに問い合わせたのですが「行政機関から一般の人が犬を預かり、新たな家族(里親さん)を探すことはできない」と言われてしまいました。
そこでPAKという保護団体に所属させて頂く形にすることで保護活動を開始しました。最初は、遠藤が自宅で一頭ずつ保護して里親を決めていく、という活動をしていたのですが、それでは「認知が広まらない、活動のキャパシティーにも限界がある」といった問題に行き当たってしまったので、個人出資で店舗を出したんです。そのとき、駒沢公園通りは犬を飼っている方が多く集まるので、ここに店舗を構えて保護犬をおけば、多くの人に認知してもらえるではないかと考えました。試行錯誤の末、店舗型は2年で止め、今現在は「預かり家庭型」をとり、一家族に1頭づつ預かってもらっています。預かりさん家庭の一つ一つが、保護犬にとってはまさにドッグシェルターとして機能し、活動を継続しています。
量よりも質の追求を大事にする
私たちが保護犬を送り出す点で大切にしているのは「一頭でも多く」ということより「一頭をより良い状態で送り出して里親さんに満足していただく」ということです。 遠回りかもしれませんが、「保護犬を家族に迎えて良かった」と思ってもらうことが、長い目で見て結果的に良い方向につながると信じているからです。
保護センターに収容される犬はほとんど過去が分かりません。「何が好きで、苦手か」も分かりませんし、状況によっては噛み付いてしまう、過剰に吠えてしまう犬もいます。また新たに人と一緒に生活するには、ある程度の基準をクリアしないと、結局、引き取って頂いてもその先が難しくなってしまうと思うのです。そのため私たちは保護犬を送り出すための適正テストを設けて、里親さんに少しでも満足して頂けるようにしているのです。満足して頂けるということは結果的に犬も幸せになると考えています。これは当団体ならではの特徴ではないかと思います。
残念ながら適正テストを通過できなかった犬に関しては、問題があることが分かっていて送り出すことは難しいので、問題点の度合いによっては、大きな団体さんのもとでトレーニングを行ったりしますが、触ることが難しい位のレベルの子になってしまうと、処分になってしまう場合もあります。
そういった道のりを乗り越えて、里親さんのもとに保護犬を送り出した後、アフターフォローで再び里親さんを訪れたときに「この子と出会えて良かった」と言って頂けると非常に嬉しいですね。
次世代に繋ぐ「伝える」活動が必要
残念なことに、現在の状況における私たちの活動は、次々にコップに入ってくる水が溢れ出さないように汲み出しているようなものに過ぎません。このような状態を解決するには、元である蛇口を閉める活動、つまり、行政や法律に訴えかけてゆく働きや子供たちに命の尊さを知ってもらえるような啓蒙的活動が不可欠だと思います。現場レベルでは日々に追われてしまいどうしても難しいのですが、一部の大人の間だけで終わってしまうような情報共有の仕方ではなく、それを次の世代に繋げるための「伝える」活動をしていくことが大切ではないかと思っています。
※ここの掲示版は会員のみなさまの情報交流であり、インタビュー対象の方からは回答できませんのでご注意下さい。

